<震災9年ネット調査>復興五輪 「理念不明確」が過半数 宮城開催の認知は34.1%

河北新報社とマクロミル(東京)の復興に関する共同調査で、東京五輪の印象や認知度を聞いた。大会が掲げる「復興五輪」の理念が明確かどうかについて、「明確ではない」が53.8%(前年比5.3ポイント減)と過半数を占め、疑問視する見方が依然根強いことが分かった。

 調査結果はグラフの通り。五輪が被災地の復興に役立つかどうかに関しても「役に立たない」が44.8%(1.6ポイント減)を占めた。
 地域別では、理念が「明確ではない」との回答は被災3県沿岸部の被災者が57.3%に上り、首都圏でも48.7%となった。復興に「役に立たない」は被災者46.9%、首都圏40.1%だった。
 東京五輪では宮城県利府町で男女のサッカー競技、福島市で野球・ソフトボール競技の一部試合が開催される。東北での競技開催の認知度を聞いたところ、宮城での開催を「知っている」は全体の平均で34.1%、福島での開催は26.8%にとどまった。
 県別では宮城の回答者の61.7%、福島の54.1%がそれぞれ地元での競技開催を「知っている」とした。首都圏の認知度は宮城のサッカーが17.9%、福島の野球・ソフトボールは20.2%だった。
 「五輪が東北の復興に役立つために必要なこと」も自由回答で聞いた。「観戦で被災地を訪れた人が、継続的に観光などで訪問する」仕組み作りや、「世界に向けた東北の農産物や祭りの紹介」を求める意見が目立った。

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