<震災9年ネット調査>豪雨対応 沿岸部危機感高まる

昨年10月の台風19号豪雨を受け、大水害への危機意識について聞いた。東日本大震災の岩手、宮城、福島3県の沿岸部被災者が将来(今後30年程度)、現在の住まい周辺(半径1キロ程度)で豪雨による大水害が「ほぼ確実に発生」「発生する可能性は大きい」と答えた割合は計61.2%となり、全体平均(計44.9%)を大きく上回った。
 台風19号豪雨では沿岸部の震災被災地が再び大きな被害を受け、「二重被災」に見舞われた地域を中心に危機意識が高まったためとみられる。
 将来の豪雨災害への危機意識に関する調査結果はグラフの通り。「住まい周辺」のほか「回答者の住居」、「住んでいる市町村内」のいずれの被害想定範囲に関しても、沿岸部被災者の「発生する」との回答の合計は全体平均を12~19ポイント上回った。
 「回答者自身のけがや浸水被害」に関しても、「発生する」との回答は沿岸部被災者が計45%に上り、全体平均に比べ12.3ポイント高かった。
 台風19号豪雨の被害が住んでいる市町村で実際に「あった」と回答した層に限ると、住まい周辺に豪雨による大水害が「発生する」との回答は全体で計65.2%、沿岸部被災者が計72.6%となった。
 豪雨災害への備えについても聞いた。「あらかじめ自宅外の避難場所を決めている」と回答した沿岸部被災者は42.1%(全体平均37.4%)、「自動車等の移動先を決めている」は同じく25.9%(15.1%)だった。
 台風19号豪雨の後、新たに備えた項目は回答者全体で「ハザードマップの確認」が10.2%と最も高く、「自宅外の避難場所を決めた」が5.9%と続いた。

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