<飯坂温泉>原発事故で中断のゆず湯再び 冬至の22日、気仙沼産ユズを湯船に

福島市の飯坂温泉の共同浴場「鯖湖(さばこ)湯」が冬至の22日、東京電力福島第1原発事故の影響で中断していたゆず湯を実施する。関東からユズを寄贈された2012年3月以来。今回は出荷制限中の福島市産の代わりに、気仙沼市大島産を湯船に浮かべ、東日本大震災の津波被災地に思いを寄せるきっかけにもする。

【写真】気仙沼市のユズを使ってゆず湯を実施する鯖湖湯

 鯖湖湯は09年から冬至にゆず湯を用意。原発事故後の11年8月、福島市産のユズが出荷制限を受けて中断を余儀なくされた。利用客がゆず湯を楽しんだのは、埼玉県民から寄贈されたユズを活用した12年3月11日が最後となっていた。

 指定管理者の福島市観光開発は「『ゆず湯はやらないのか』という問い合わせを冬至が近づくたびに受けていた」と説明。浴場利用者の減少傾向に歯止めをかける狙いもあり、風物詩の再開を決めたという。

 同社は大島産のユズ10キロを準備した。鯖湖湯と、同じ飯坂温泉の共同浴場で指定管理を請け負う「波来(はこ)湯」でも使う予定。担当者は「福島市と同様に復興に向けて頑張る気仙沼市への支援になればいい」と話す。

 鯖湖湯と波来湯の営業時間は午前6時~午後10時。

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