<45年東北の総人口>30年で31%減620万人に 自治体、存続に危機感

東北の人口減少が加速しそうだ。国立社会保障・人口問題研究所が3月末に公表した将来推計人口によると、2045年の東北の総人口は620万2191で、15年に比べて約278万(31.0%)の大幅減となる見通し。少子高齢化も急速に進行し、自治体は危機感を強めている。

東北の推計人口の推移はグラフの通り。30年までに800万を切り、40年までに700万を割り込む見込み。全国の総人口に占める東北の割合は15年の7.1%から、45年には5.8%まで低下する。
45年の総人口を県別で見ると、青森82万3610(15年比37.0%減)、岩手88万4518(30.9%減)、宮城180万9021(22.5%減)、秋田60万1649(41.2%減)、山形76万8490(31.6%減)、福島131万4903(31.3%減)。秋田の人口減少率は全国で最も高い。
市町村別(福島県内を除く)の45年までの人口減少率は青森県今別町(71.0%)を筆頭に、同県外ケ浜町(67.3%)、同県深浦町(64.9%)などが続いた。人口が1000を下回る自治体は宮城県七ケ宿町、青森県西目屋村、同県風間浦村など6町村。
45年の東北の高齢化率は43.7%となり、15年比で14.5ポイント上昇。県別では秋田50.1%、青森46.8%、福島44.2%、岩手43.2%、山形43.0%、宮城40.3%。一方、東北の65歳以上人口は25年の287万2890をピークに、減少に転じる見通し。
少子化も一段と進む。東北の0~14歳人口は45年に15年比47.1%減の56万1576で、総人口に占める割合は9.1%(15年比2.7ポイント低下)となる。
東北で人口が増えるのは富谷市(10.1%増)のみ。名取市(0.1%減)、宮城県利府町(2.2%減)など、仙台市近郊の自治体の減少率は小幅にとどまりそうだ。
急速な人口減に直面する市町村は「自治体運営が厳しくなる。将来は合併を考えないといけないかもしれない」(今別町)、「町外に移住者を求めないと労働力の確保が困難になる」(七ケ宿町)と懸念する。
仙台市は東北の人口減少対策を本格化させる。現状は東北各地からの転入超過で人口増が続くが、東北の人口減に伴い、35~40年に100万を割り込み、45年には92万2655(14.7%減)まで減少する見込みだ。
市東北連携推進室の担当者は「東北が尻すぼみになると仙台も都市の活力を維持できない」と説明。東北の市町村との連携を強化し、交流人口の拡大や在仙学生のUターン促進などに取り組む。

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