◇「モータースポーツ振興法案」が近く国会に提出へ

F1などモータースポーツの公道開催を後押しする議員立法「モータースポーツ振興法案」が近く国会に提出される。騒音や事故への懸念から事実上、認められていなかったが、観客の安全確保などを条件に「公道カーレース」を実現し、観光振興や地域活性化を狙う。

市街地を走る公道レースとしてはF1のモナコ・グランプリが有名。開催中はモナコ公国に多くの観光客が訪れる。日本では、規制した林道などを使って1台ずつタイムを競うラリー競技は実施されているが、複数車両が公道を一斉に走るレースの開催はない。

自民党のモータースポーツ振興議員連盟(会長・古屋圭司前国家公安委員長)を中心にまとめられた法案は、政府や地方自治体に対し、道路使用手続きの迅速化や、観客の安全確保に向けた事業主体への助言を要請。必要な法整備や財政措置を講じることを政府に義務付けている。

電気自動車によるレース「フォーミュラE」の誘致など、日本の優れた環境技術をアピールする構想もある。関係者によると、既に複数の自治体が公道レース開催に名乗りを上げている。

公明、次世代両党は自民案を了承済み。民主党と維新の党を加えた与野党5党による共同提案を目指す。【中島和哉】