<JR四国パス>乗り放題、人気右肩上がり

2012年4月に外国人観光客向けに発売された四国内鉄道の乗り放題パス「ALL SHIKOKU Rail Pass」が人気を呼び、年々販売数 を伸ばしている。しかし、今夏、台湾から来た女性観光客が線路内で亡くなる鉄道事故が発生。JR四国は外国人観光客に安心して鉄道の旅を楽しんでもらえる よう、外国語表記の危険防止リーフレットを配るなど、安全対策に力を入れている。

JR四国によると、パスは、四国の鉄道6社などが連携し、四国内の全鉄道で乗り放題となる。2日間〜5日間の4種類がある。

販売数は、1297枚(12年度)▽2903枚(13年度)▽5899枚(14年度)−−と右肩上がり。今年度は8000枚以上を見込む。人気の理由について、同社は「1枚の切符で乗り放題という分かりやすさと、自由な旅行形態がニーズに合っている」と見る。

購入客を国・地域別にみると、東アジア諸国が全体の約9割。中でも、発売初年度から3年連続首位の台湾は全体の半数を占める。

四国運輸局国際観光課は、台湾人観光客の訪日回数の多さが背景にあると指摘。観光庁によると、台湾人観光客の約14%は10回以上訪日している。「日本中を行き尽くして、四国にも足を伸ばし始めたのでは」(同課)とする。

また、四国を訪れるアジア人の傾向について、「韓国人は1、2泊で目的地に直行直帰。台湾人は4泊程度過ごし、周遊する余裕がある。中国人はバス利用の団体旅行が多く、四国より買い物目的で関西・関東に流れる傾向が強い」(JR四国営業部)という。

一方、今年7月、パスを利用して旅行中の台湾人女性が高知県内の土佐くろしお鉄道中村線の若井駅の線路上で記念撮影中、列車にはねられ死亡する事故も。 JR四国は、中国語や英語などで危険防止を呼びかけるリーフレットを作成。パスの購入者に手渡している。また、同じ内容のポスターを管内の全駅に掲載し た。

同社の泉雅文は「このような痛ましい事故のないよう、安全対策に努めたい」と話している。【伊藤遥】

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