東日本大震災で被災した仙台市若林区東部で、農業復興支援に取り組む学生ボランティア団体「ReRoots(リルーツ)」(仙台市)が、第13回JTB交流文化賞の組織・団体部門で最優秀賞を受賞した。学生らは「うれしさと同時に、復興に向けた使命の重さを感じる」と語る。
リルーツは震災1カ月後の2011年4月、仙台で避難中に一緒にボランティア活動をした広瀬剛史代表(43)と同市の学生たちが創設した。14年まで延べ約3万人のボランティアを受け入れ、農地のがれき撤去約500件を請け負った。
「復旧から復興へ、そして地域おこしへ」を理念に掲げ、地域住民の悩みを吸い上げながら、コミュニティー再生や野菜移動販売、ツーリズム企画など取り組みを広げてきた。メンバーは現在、市内7大学の約80人。
同賞は地域活性化を目的に、全国の地域に根差した持続的な交流活動などを表彰。今回は組織・団体部門に49件の応募があった。1月に東京都内であった授賞式で「地元の大学生で運営され、復興活動を広げ、継続中であることが素晴らしい」と評価された。
広瀬代表は「住民の視点で課題を捉えることが大事。今後は集落の高齢化や農家の後継者不足について対策を考えたい」と話す。