<KYB免震>仙台市立病院、こども病院など使用 改ざん影響東北にも

油圧機器メーカーKYB(東京)による免震・制震装置の検査データ改ざん問題で、東北各県の主要病院や県庁舎など公共施設でも17日、不正が疑われるKYB製装置の使用が相次いで判明した。使用している装置がデータ改ざんの該当製品かどうか不明な施設もほかに複数あり、影響はさらに広がる可能性がある。
宮城県は、県立こども病院(仙台市青葉区)と仙台市立病院(太白区)、大崎市民病院での使用が明らかになった。仙台市立病院では免震装置16基のうち、13基でデータ改ざんの疑いがある。担当者は「不安解消のため一日も早い交換を強く求めたい」と強調した。
福島県は、耐震工事を実施中の県庁西庁舎(福島市)と、県南会津合同庁舎(南会津町)での装置使用を公表。16基を地下に設置した県庁西庁舎の耐震工事は19年2月完了予定だが、装置を取り換えた場合は遅れる可能性がある。県施設管理課は「補償も含めて対応を検討する」と述べた。
秋田県と山形県では、秋田、酒田、天童の3市役所の地下に免震用オイルダンパーをそれぞれ設置していた。天童市の担当者は「残念なことだが、メーカーには誠意ある対応を取ってもらいたい」と話した。
岩手県では、盛岡市が16年6月完成の盛岡中央消防署(盛岡市)で同社の免震装置を使用していると発表した。盛岡地区広域消防組合の担当者は「情報収集を行い、今後の対応を検討する」と説明した。
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)、東通原発(青森県東通村)、日本原燃の使用済み核燃料再処理施設に設置されている免震用オイルダンパーは他社製だった。
青森県は建築基準法に違反していることが確認できないなどの理由で、設置建物2件の詳細を明らかにしていない。

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