<TPP大筋合意>消費者「安い方がいい」 価格影響不透明

農産物や食品など幅広い品目で関税が撤廃・削減される環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の大筋合意から一夜明けた6日、消費者からは食品の値下がりや輸入拡大で選択肢が増えることへ期待感が聞かれた。

【TPP交渉参加国の狙いや対応】

東京都練馬区内のスーパー。買い物に来た同区の主婦(71)は「お肉が値下がりするならありがたい。値引きされているものを選んだりしているけれど、今は家計を考えてお肉のメニューをやめることもある。安い方がいい」と期待感をにじませた。

同区の主婦(67)は「外食産業への影響だけでなく、私たちが購入するお肉の値段にも反映されるのかしら」と慎重な様子。一方で「バターはいつも決めている国産のメーカーがあるけれど、品薄状態で困っている。選択肢が増えることは歓迎」と話した。

同区の自営業、新倉早苗さん(59)は「普段から、牛肉は高いと思いながら買っている。焼き肉をするときに豚肉も使ったりしてやりくりしていたけれど、 安くなっていくのかしらと思いながらニュースを見ていた」。同区の主婦(28)は「お肉を買うときは割引シールが貼ってあるものを選ぶようにしている。安 くなればいいけれど」と話した。

一方の小売り側。「消費者は値下げを期待するだろうが、現時点で価格の動向を予測するのは難しい」。首都圏のスーパーマーケットチェーンの広報担当者は そう話す。肉の価格には、その時々の為替や市場の相場の変動が大きく影響する。「関税部分の影響は相場変動に比べれば、ほぼないに等しい程度」なのだとい う。

国産牛のうち黒毛和牛などのブランド牛は、今後海外での評価が上がれば、むしろ価格が上昇する可能性もあるという。

マグロなどの水産物も、元々低い関税だったことから「短期的には店頭価格への影響はないだろう」と話し「いずれにせよ今後の動きに注視する必要がある」と続けた。

別の首都圏のスーパーマーケットチェーンの担当者も「消費者にとって、どういう形で影響するか、今はまだ不透明」と話した。【山田麻未、一條優太】

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