AI技術悪用でわいせつ画像公開“ディープフェイク”で初の逮捕者

人工知能(AI)技術を使って女性芸能人のわいせつ動画を無断で作成し、インターネット上に公開したとして、警視庁保安課が2人の男を逮捕したというニュースが2日、ネットで大きな注目を集めた。同課の話では、「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画で、女性芸能人とアダルトビデオ女優の画像を合成していたという。こうした偽動画に関連した事件の摘発は全国で初めてで、同日、ツイッターで「ディープフェイク」なるワードがトレンド入りするなど、ネットにさまざまな反応が集まった。

 報道によると、同課は名誉毀損と著作権法違反の疑いで、熊本市の大学2年の男と、兵庫県三田市のシステムエンジニアの男を逮捕した。2人はネット上で「ディープフェイク職人」と呼ばれていたという。ディープフェイクとは、「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた造語。人工知能の顏認証技術を悪用した偽動画などを指し、今回の事件では、既存のアダルト動画の出演者の顔が、若手の女性芸能人の顔にすげ替えられていた。

 今回の報道を受け、この技術を知るネットユーザーは「やっぱディープフェイクで逮捕者出たのか。一般の人が手軽に映像加工しやすい世の中になったし、こういう犯罪増えるだろうな」「ディープフェイクAV載せたりしてRT稼いでる人達が多いし(ほとんどはメディア再生不可にされてる)そりゃ検挙されるよね」などと納得。「ディープフェイクはガチで見分けつかないレベルで動画になるから悪く使うと恐ろしい技術だよ」「何が嘘で、何が真実であるか、分からん時代がもう来ているんやろなぁ」「伊坂幸太郎さん『ゴールデンスランバー』の様に、無実の犯罪者が仕立て上げられない事を願います」などと不安を口にする人もいた。

 また、「この技術をいい方にいかしてくれれば めちゃ仕事できる人になるのに」「違う方向に力と知識むけたら、凄いに変わると思うけど」と、この能力の使われ方を残念がるネットユーザーも少なくなかった。なかには、供給側だけでなく、需要側に対しても「作る方もそうだけど、見る方も…」とツッコむ人もいた。

 一方、このワードがトレンド入りしたことで、「ディープフェイク」というものを知ったという声も多かった。ツイッターには「ニュースでやってたディープフェイクって単語、初めて聞いたわ」「ディープフェイクとかパワーワードすぎ」といった投稿も多数。「ディープフェイクってサラブレットかな?と思ったら違った」「ディープフェイクってなに?ディープインパクトしかわからん」など、競走馬の名前と勘違いしたというコメントや、「ディープフェイクか。ハリウッド映画のタイトルになりそうやな」と想像を膨らませるネットユーザーの書き込みも見受けられた。

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