JR東日本は12日、バス高速輸送システム(BRT)で運行している気仙沼線柳津(登米市)-気仙沼間(55.3キロ)、大船渡線気仙沼-盛(岩手県大船渡市)間(43.7キロ)の鉄道事業廃止を国土交通大臣に届け出たと発表した。廃止予定日は2020年11月13日。
両線は東日本大震災で甚大な被害を受け、気仙沼線は12年8月、大船渡線は13年3月にBRTの運行を開始。JR東は鉄路復旧に多額の費用がかかることや乗客減少を理由に、BRTによる本格復旧を宮城、岩手両県の沿線自治体5市町に提案し、16年3月までに全市町の同意を得た。
JR東は気仙沼線の柳津-気仙沼間のほか、鉄道を運行している前谷地(石巻市)-柳津間でもBRTを延長運行。大船渡線のBRT区間と合わせ、新駅の設置などを進めている。
JR東広報部は「利用者の利便性向上を優先し、結果的にこのタイミングでの届け出になった。BRTは道路運送法に基づき運行し、鉄道事業廃止による運行・サービス水準の変更はない」と説明。沿線自治体には事前に説明したという。