BTS、中国から“イチャモン”で大炎上 朝鮮戦争に言及、中韓両国で互いに不買運動も

韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」のメンバーが、朝鮮戦争での米韓国民の「犠牲」について発言したところ、「中国を侮辱した」と大炎上、中国のSNSからBTS関連の広告が削除された。中韓両国が互いに不買運動を呼び掛ける事態となっている。

 BTSは、米韓関係の発展に貢献したとして米非営利団体「コリア・ソサエティー」から賞を受けた。今月上旬のオンライン授賞式でリーダーのRM(26)が、今年で朝鮮戦争開戦から70年となったとし、「(米韓)両国が共に経験した苦難の歴史と無数の男女の犠牲を忘れない」と発言した。

 中国のSNSでは「BTSが中国を侮辱」のハッシュタグが付き「私の曽祖父は血を浴びて奮戦した。歴史をねじ曲げるのは許せない」「犠牲になったわが国の軍人のことを思え」など批判が殺到した。中国では朝鮮戦争への参戦は「米国に対抗して北朝鮮を支援した」という愛国的行為とされている。

 龍谷大の李相哲教授は「米国が周辺諸国と協力して中国を孤立させているため、中国側はナーバスになっている。韓国の芸能界から『グローバル社会の連帯の力』などという言葉が使われたことに嫌悪感があったのではないか」と解説する。

 中国ではBTS関連の製品の不買を呼び掛ける声も出ていて、ネット上のモールから一部の製品が削除された。韓国メディアによると、現代(ヒュンダイ)自動車など韓国企業は中国のSNSからBTS関連の広告を削除した。

 一方、朝鮮日報(日本語電子版)は、「醜い中国人」「中国の不買運動を行うべきだ」といった声を紹介した。

 ただ、前出の李教授は「韓国は経済的に中国へ依存しているが、それは芸能界も同じで、中国の顔色をうかがっている状態だ」と、中韓両国の力関係の差を指摘した。

 BTSをめぐっては、メンバーが原爆を揶揄(やゆ)するデザインのTシャツを着ていたことが日本で批判を浴びた。

タイトルとURLをコピーしました