EEZ基点 39離島の名称内定 尖閣周辺「北小島」など

日本の排他的経済水域(EEZ)の基点でありながら名称がなかった39の離島について、政府が個々の名称を内定したことが29日、分かった。沖縄・尖閣諸島周辺の4島は「北小島」「北西小島」などと名付ける。尖閣諸島の領有権を主張する中国の反発は避けられない見通しだが、政府は今年度中に名称を正式決定し、国土地理院の地図などに掲載する。
 39の島のうち尖閣諸島(沖縄県石垣市)の久場島付近の3島を「北西小島」「北小島」「北東小島」とし、大正島付近の1島を「北小島」と名付けた。このほか奥尻島(北海道奥尻町)近くの小島を「トド島」、知床岬(北海道斜里町)北の小島を「エタシペ岩」、日本海の見島(山口県萩市)北の小島を「見島北オオ瀬」-などと名付ける。
 EEZの基点となる離島は全国に99あるが、このうち49島には名称がなかった。政府は昨年5月、地元への聞き取り調査に基づき10島に命名。残る39島についても昨年11月、島が帰属する1都15市町村に名称を決めるよう要請した。
 各自治体は地元漁協や住民から名称を募り、1月下旬までに回答した。政府は地元の意向を尊重し、自治体の回答通りの名称を採用する方針。年度内に国土地理院と海上保安庁が「地名等の統一に関する連絡協議会」で正式決定し、順次地図や海図に掲載する。
 命名された島は平成22年に施行された低潮線保全法などに基づき、人為的な破壊や浸食からの保全措置が求められており、政府は今後必要に応じ、沖ノ鳥島(東京都小笠原村)で行った護岸工事のような浸食防止措置を講じる。
 また、政府は39島とは別に、領海の基点となる小島の実態調査にも本格着手する方針。これらの小島については基点の数が膨大なため、名称の有無や数も正確に把握できていない。

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