トヨタ自動車グループで車載電池製造のプライムアースEVエナジー(静岡県湖西市)は、宮城県大和町の宮城工場で3本目となる生産ラインを稼働させ、量産を始めた。これまで年20万台分だった生産能力は30万台分にアップし、フル稼働できる体制が整った。
第3ラインは第1、第2ラインと同様にトヨタのハイブリッド車(HV)「プリウス」用のニッケル水素電池を生産する。10月末には一部の工程が稼働し、今週に入って全工程で製造が始まった。
このラインで製造した電池は来週以降、愛知県内のプリウス生産拠点に出荷される見通し。
第3ラインが完成したことで、宮城工場で計画されていた総額約350億円の投資は完了。会社全体の生産能力は静岡県内の2工場と合わせ年110万台分になった。
東北ではトヨタグループの関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)が2011年末をめどに、小型HVの生産を始める見通し。EVエナジー宮城工場はこの小型HV向けにも電池を供給する予定だ。
EVエナジーは当初、9月中に第3ラインを稼働させる予定だった。エコカー補助金の終了に伴う自動車販売の急減などの影響を受け、1カ月半ほど本格稼働を遅らせた。
将来的な増産などの可能性について、同社は「HVの需要動向やトヨタの販売計画に対応できる体制を整える。ただ現段階で新たな投資計画はない」としている。