GW旅行商戦 国内は好調、海外苦戦

ゴールデンウイーク(GW)がスタートした。東北の旅行商戦は国内が好調で、安定した需要がある東京、関西方面に加え、北陸新幹線の開業で活気づく北陸地 方の人気が高まっている。海外は、相次いで起きたテロ事件や航空機事故などへの不安から各社とも低調。5月2~6日の後半5連休も振るわず、海外旅行を避 ける傾向が目立った。
「国内は絶好調」と話すのは、近畿日本ツーリスト東北(仙台市)の木村淳個人旅行事業部長。「北陸新幹線の開業や姫路城の大改修の終了など、国内観光にプラス要素がたくさんあったことが大きい」と分析する。
中でも北陸方面の商品の売り上げは新幹線の開通効果が顕著。GWを含む5月に北陸に出掛ける購入客は約600人で、1桁だった前年より大幅に増えた。
JTB東北仙台支店でも国内は好調だ。特にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)を中心とした関西方面や定番の沖縄が人気で、パック商品の販売額が昨年同期比でいずれも約10%アップした。
一方で海外は苦戦している。JTB東北仙台支店のヨーロッパ商品の売り上げは昨年同期に比べ2割ほど減少した。吾妻秀俊支店長は「テロの影響などでヨーロッパは売れ行きがとても悪い」とみる。仙台空港からの直行便があり、比較的近い台湾は善戦しているという。
全国から東北を訪れる観光客数は増加傾向にある。旅行予約サービス大手の楽天トラベル(東京)によると、宿泊予約者を行き先別にみると、山形県が前年同期 比89.7%増と大幅に伸びた。担当者は「山形空港の羽田便が昨春増便になり、利便性が高まったことが背景にある」と説明する。
6月末まで大型観光宣伝「ふくしまデスティネーションキャンペーン」が続く福島県は61%増。岩手も51%増えている。

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