GW観光客 復興まちづくり女川に7万7000人

東日本大震災からの復興まちづくりを進める宮城県女川町で、ゴールデンウイーク(GW)期間中の来町者が推計で7万7000人に上ったことが町などの調査で分かった。JR女川駅前の商店街は大にぎわい。人口約6700人の小さな町は、県内外からの観光客などで活気づいた。
期間中最多となった4日は、1万4600人の人出を記録。特に来町者が多かった3~5日には石巻市内から町内へ向かう国道398号で渋滞が発生し、周辺駐車場も混雑した。
女川駅前のテナント型商店街「シーパルピア女川」は多くの人が行き交い、飲食店には行列ができた。
町中心部では昨年12月、シーパルピア女川に商業施設「地元市場ハマテラス」が開業。今年3月に「復幸祭」が開かれ、町の復興を印象づけた。
町観光協会の遠藤琢磨事務局長は「そうした動きがメディアで紹介されたのに加え、女川が面白そうという雰囲気づくりが奏功したのだろう」と推測する。
GW期間中に大規模なイベントはなかったが、町まちなか交流館で開かれた催しや神社の例大祭などの情報を関係団体で共有し、町を盛り上げた。町産業振興課の担当者は「さまざまな組織が連携してエリア一帯のにぎわいを生み出した。まちづくりの方向性が間違っていないと確信できた」と手応えを感じている。
ハマテラスで食堂と鮮魚販売などを営む「お魚いちば おかせい」の岡芳彦店長(31)は「店内は常に満員の状態だった。全国の人が女川に関心を持ってくれている今、信頼を得ることが重要だ」と話す。
調査は4月29日~5月7日の計9日間実施し、駐車場の利用状況と女川駅での降車数から推計。2016年は4月29日~5月8日の計10日間、シーパルピア女川の店頭販売の実績から、来町者を約2万5000人と推計した。

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