HD製造、短時間で安価に 先端医療など応用期待 東北大

東北大金属材料研究所の加藤秀実准教授(金属ガラス)らの研究グループは、レーザーによって金属ガラスを急速かつ局所的に加熱できる熱転写装置を製作し、ハードディスク(HD)を短時間で安価に製造する技術を開発した。
 ノートパソコンに使う直径2.5インチ(約7.5センチ)のHDは従来、1枚の加工に30分かかっていた。新技術で15分の1の40秒に短縮され、消費電力量も20分の1に抑えることができた。
 HDは10ナノメートル(ナノは10億分の1)単位の超微細な凹凸パターンが表面に施されている。半導体製造技術に基づく現在の工程では加工に時間が掛かり、熱容量の大きなヒーターを使うため膨張で凸凹パターンが崩れる問題もあった。
 グループはレーザーを吸収する性質のある強化ガラスを金型に用い、金属ガラスの薄い膜に凹凸パターンを加工。レーザーで金属ガラスだけが加熱されて水あめの状態に変形し、他の素材は影響を受けず制御しやすくなった。
 加藤准教授は「超高密度磁気記録媒体をはじめ先端医療、環境適応触媒など幅広い工業用途への応用が期待される。量販装置を開発し、実用化を加速させたい」と話す。

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