HIV新薬来月発売 東北大・JT開発、国が承認

 東北大大学院医学系研究科の児玉栄一講師(ウイルス学)が、日本たばこ産業(JT)と共同開発した抗エイズウイルス(HIV)薬について、日本での製造販売が厚生労働省から承認された。国内で開発された初の抗HIV薬で、5月中旬以降に販売が始まる。
 承認されたのは、児玉講師らが開発した「エルビテグラビル」を含む4種の薬を配合した錠剤。従来の抗ウイルス剤は1回数錠を1日3回服用するが、新薬は1日1錠で従来の薬と同等かそれ以上の効果があるという。
 エルビテグラビルは、HIVの遺伝子がヒトのDNAを切断・侵入する際に必要な酵素の働きを止めることで、ウイルス増殖を防ぐ。錠剤は昨年8月、「スタリビルド」という名称で米国で先行して新薬承認された。
 錠剤の価格は1錠6000円程度の見込み。児玉講師は「朝または晩に1錠飲むだけで済むので、プライバシーも保護でき、患者の負担軽減につながる」と話している。

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