日本通信は25日、ネット販売していた米アップル製スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」用のSIMカードを、販売代理店を通じて端末とセットで販売すると発表した。同日、中堅携帯電話販売会社のトップワイジャパン(東京都板橋区)と代理店契約を結び、11月から同社が展開する東京都と千葉県の11店舗で販売する。さらに複数の代理店との契約も予定しており、全国主要都市をカバーする1000店規模の販路を構築する考えだ。
日本通信は今夏から、海外でSIMロックを解除(SIMフリー)して販売されているアイフォーン向けに、NTTドコモのネットワークで使えるSIMカードをネット販売している(利用料はアイフォーン4は月額6260円)。しかし、利用者から端末とセットで購入したいとの要望が多いことに対応する。
第1弾として代理店契約したトップワイジャパンは、携帯・PHS各社の端末を扱う店舗「パワーポケットショップ」11店で、SIMフリーアイフォーンと日本通信製SIMカードをセットまたは単体で店頭販売する。トップワイは11月中にもSIMフリー端末販売で実績の高い英イクスパンシス(ロンドン)から端末を調達する。価格は未定。
パワーポケットショップでは、ソフトバンクモバイルのSIMロックがかかったアイフォーンも扱っており、契約者は価格や通信環境を比較して選択できるようになる。
総務省は今年6月、SIMロックの解除を事業者に要請するガイドラインをまとめ、2011年4月以降に販売される端末のうち可能なものから順次、ロックを解除するよう求めた。当面は対象機種などは事業者の自主性に委ねるが、実施状況が不十分な場合は強制力のある法制化も含めて見直しを検討する方針。アップルはアイフォーンの販売に当たってSIMフリーを容認しているが、ソフトバンクは稼ぎ頭となっている人気機種だけに、「敵に武器は渡さない」(孫正義社長)としてSIMロックを堅持している。