IT産業で石巻復興 まちづくり団体が拠点「イトナブ」開設

多様なまちづくり活動を展開する石巻市の一般社団法人「ISHINOMAKI(石巻)2.0」が、若者らがウェブデザインやソフトウエア開発を学べる拠点「イトナブ石巻」を開設した。本格オープンは6日で、ITを活用した産業を創造し東日本大震災からの復興につなげる。
 イトナブ石巻は、廃業した市中心部商店街の文具店1階(約20平方メートル)に設けられた。活動に賛同した企業から提供されたパソコンやタブレット型多機能端末など約20台を備える。
 東京などから専門家を招いてIT教育をしたり、アプリやソフトウエアを開発したりするほか、商店のホームページ作成などで地域のIT化をサポートし、情報発信も手掛ける
 当面は、高校生ら若者にアプリの制作方法を教えるなどして技術者の養成に取り組む。将来は基幹産業の水産業とITを組み合わせたソフトウエア開発の活動を展開する方針。
 拠点の設置は、石巻2.0が5月に始めたITで新たな産業を掘り起こすイトナブ活動の一環。イトナブは「IT」「営む」「学ぶ」を合わせた造語で、これまで市内の高校生や県外のエンジニアらと石巻の観光用アプリを開発、コンテストに応募するなどしてきた。
 イトナブ責任者でウェブディレクターの古山隆幸さん(31)は「ITはアイデア次第で新たな仕事を生むことができる。石巻の若者に技術を伝え、10年後にはITを地域の主要産業に育てたい」と意気込んでいる。
 イトナブの利用時間は毎週火・木曜の正午~午後8時。

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