政府は28日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際に緊急情報を伝える全国瞬時警報システム(Jアラート)について、警報を出す地域を、現在の原則都道府県単位から、隣県を含むより広い範囲に改めると発表した。対象地域を絞り込むための時間を省き、少しでも早く警報を出せるようにする。今後半年程度かけて関連システムを改修する。
Jアラートはミサイルの飛行ルート予測に基づき、着弾したり上空を通過したりする可能性がある地域に警報を出す仕組み。これまではルート予測が「相当程度確定的になってから」警報を出していたが、今後は避難時間を確保するため、「一定の蓋然(がいぜん)性が確保された段階」で出すという。
これにより警報を出すまでの時間は1分程度短縮される見通し。情報が集まりきらない段階での判断となるため、より広い地域に警報を出す必要が生じるという。
政府は10月4日、北朝鮮のミサイル発射を受けて青森県などに警報を出したが、ミサイルは警報とほぼ同時に同県上空を通過した。11月3日のミサイル発射時にも警報が遅れたことから、政府が避難時間の確保に向けた対応策を検討していた。【菊池陽南子、日下部元美】