JR仙石線の内陸移設着手へ 東名・野蒜の2駅、3年半で完了

東日本大震災で被災し不通となっているJR仙石線について、JR東日本は26日までに、東松島市にある東名、野蒜の2駅を内陸部に移す新ルート敷設に向けた作業に着手する方針を固めた。高城町(宮城県松島町)-陸前大塚(東松島市)間についても現行ルートで復旧を進める。用地買収と工事などで計3年半程度かかる見込みだが、仙石線は全線開通に向けて大きく前進する。
 東名、野蒜の2駅は現在地より内陸側に500メートルほど移設する方針。JRは昨年10月に地元自治体などと合意したルート案に基づき、測量、設計のほか環境影響調査などを進める。
 工期の詳細は未定。事業費は新ルート敷設を含め全体で約100億円。JRは土地買収に当たって地元自治体の協力も要請する。
 仙石線は津波でレールが流失するなどして、高城町-矢本(東松島市)間で不通が続いている。JRは高城町-陸前大塚間は現行ルートのまま復旧する方針で、今後、県などと協力して護岸工事を進めて全線開通に備える。
 同じく不通となっている陸前小野-矢本間については、年度内の運転再開を予定している。

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