仙台市太白区のJR南仙台駅付近の住民が踏切による渋滞解消などを目指し、線路の高架化を求める運動をフェイスブック(FB)で始めた。長年、市に改善を要望してきたもののかなわず、運動スタイルを一新することにした。FBで万単位の「いいね!」を集めて機運を高め、市を動かすことを狙う。
改札は東口だけ
運動主体「南仙台駅の高架化を願う会」によると、同駅の1日の乗車人員は既に高架化した同区の長町駅を上回る8000人超で、県内のJR駅で4番目に多い。周辺人口も約5万5000と一つの市ほどで、駅周辺に踏切が四つあることから渋滞が多発する。
近くのパート従業員嶺岸昭さん(66)は「踏切近くの渋滞で生活は大変。人口が多いのに踏切なので、人身事故も毎年のように起きる」と訴える。
西口一帯は人口が多いのに、東口にしか改札口がないことも不便さに拍車をかける。西口の住民は仙台駅へ向かう場合、線路をまたぐ自由通路を上り下りして改札をくぐり、再び線路上の連絡通路を上り下りしてホームに行く必要がある(イラスト参照)。
通勤で仙台駅まで往復する西口住民の会社員菊池紀子さん(45)は「1日に階段を4回も上り下りするのは省きたい。自由通路もぼろぼろで、高校生の集団が発車に間に合うように走ると揺れ、怖い」と漏らす。
渋滞解消願う
願う会は「こうしたさまざまな問題を解消するのが高架化だ」と主張。昨年末に駅西部の名取市道の未開通区間が完成し、国道286号から駅までつながったことも追い風に「線路が(高架で)上がれば国道4号と直結され、4号の渋滞解消にもつながる」と強調する(地図参照)。
仙台市公共交通推進課の五十嵐大(ひろし)課長は「事業費やJRとの協議もあり、高架化のような抜本的解決はすぐにはできない」と話す。9月ごろまでに西口側からの移動実態を調査し、まずは現状を把握する方針だ。
願う会のFBはhttps://www.facebook.com/groups/1510800119277928/posts/1510810132610260/