JR東日本社長に深沢氏 駅開発・街づくりに意欲

JR東日本は20日、冨田哲郎社長(66)の後任に、インド高速鉄道を担当する深沢祐二副社長(63)が昇格する人事を発表した。冨田社長は代表権のない会長に就く。4月1日付。在任6年を迎えることから体制を刷新する。
深沢氏は東京都内で開いた記者会見で、人口減少を念頭に「これからの30年は厳しい環境が待ち構えている」と指摘しつつ、「信頼の源である安全、安定輸送のレベルアップをベースに新しいチャレンジをしていきたい」と強調した。
具体的には駅の開発にとどまらない街づくりや海外事業、ICカードのSuica(スイカ)決済機能を生かしたサービスの拡大などに取り組む姿勢を示した。
深沢氏は総合企画本部投資計画部長や取締役人事部長を歴任し、2012年に副社長に就いた。

◎被災鉄道の復旧指揮

JR東日本次期社長に就く深沢祐二氏は、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸沿岸の鉄道復旧を指揮した。7年が経過した今も「(地域の)復興はまだ序盤戦」として被災地の活性化に尽力する構えを見せる。
出身は北海道函館市。国鉄傘下の青函連絡船で勤務していた父の影響もあり、就職先を国鉄に決めた。本州と函館を結ぶ北海道新幹線の開通時は「感慨深かった」と振り返る。
国鉄民営化の際には、つらい人員削減の現場に直面。職員の再就職先探しに奔走した。「あんなことはもう二度と繰り返してはいけない」と肝に銘じている。
子どもは1男1女で独立し、妻と2人暮らし。大学時代はヨット部に所属。現在は休みの日にテニスを楽しみ、リフレッシュしている。

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