JR4社マスク「個人判断」・空港では消毒液撤去…5類移行、旅行需要回復へ訪日客カギ

 JR東日本、西日本、東海、九州のJR上場4社は8日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、危険度が最も低い5類に移行したことを受け、マスクの着脱を「個人の判断」に切り替えた。従来は乗務員ら接客に携わる社員に着用を求めていた。各社は同日、駅の窓口や改札に設置していたアクリル板やビニールのカーテンの撤去も進めた。旅客の回復を通じた、業績改善への期待が高まる。

 航空業界では、全日本空輸が7日夜、各地の空港で、体温を測定するサーモグラフィーや消毒液の撤去を行った。5類移行は、「心理的な安堵感があり、国内・国際線両方にプラスに寄与する」(ANAホールディングス・芝田浩二社長)見通しだ。

 旅行関係では8日から、政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」で、割引を受ける条件だったワクチン3回接種か陰性証明書の提示が不要となった。国内旅行の一段の促進が見込まれる。

 旅行需要の本格回復に向けては、訪日外国人の動向がカギを握る。8日午後には5類移行を記念し、羽田空港国際線ターミナル直結の複合商業施設「羽田エアポートガーデン」で、歯ブラシなど日本製の旅行グッズを訪日客に配るイベントが開かれた。日本での消費拡大につなげる狙いがある。

 コロナ禍に伴う訪日客需要の消失は、地方経済の疲弊を招いた。イベントを主催したジャパンショッピングツーリズム協会の新津研一代表理事は、5類移行を契機に、「地方の魅力が(訪日客らに)再発見され、持続可能な街づくりにつながれば」と話した。

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