KDDI 「iPhone効果」シェア拡大

 ■スマホ販売目標、500万台超に修正
 KDDI(au)の田中孝司社長は24日、平成23年度のスマートフォン(高機能携帯電話)の販売台数目標を400万台から、「500万台を確実に超えると予想している」と述べ、上方修正する方針を明らかにした。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を今月14日に発売したことで新規契約数も急速に伸びており、すでにシェア拡大が本格化し始めている。
 「アイフォーンの数字は開示できないが、新規契約がかなり増えている」
 田中社長は同日の記者会見でこう述べ、アイフォーン販売に占める新規契約の割合が3割近くに上り、スマートフォン全体(約2割)より伸びていることを明らかにした。通期販売目標も「(500万台は)控えめに見た数字」とし、さらなる上方修正も示唆した。
 同社のスマートフォン販売台数はアイフォーン発売前の4~9月で191万台と、前年同期から約21倍に大幅増加。番号継続制(MNP)を利用した他社からの乗り換えも9月時点で18カ月ぶりに転入超に転換しており、下期には「全体で転入超に持っていく」(田中社長)方針だ。
 28日からアイフォーンの販売を全auショップで始めることも発表し、さらに販売拡大を進める。
 同日発表した23年9月中間連結決算は、売上高に相当する営業収益が前年同期比1・4%増の1兆7432億円、営業利益が同7・6%増の2667億円、最終利益が同2・3%増の1401億円と増収増益を記録した。
 営業収益を3兆4600億円とする24年3月期の業績見通しは据え置いたが、田中社長は「アイフォーンの影響がはっきり見切れていない。必要なら、23年4~12月決算時に発表する」とし、修正の可能性に言及した。

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