KDDI(au)は25日、auのスマートフォン(高機能携帯電話)などで全国の民放52局のFMラジオ放送を、放送エリアに制限されることなくどこでもクリアな音質で聴けるサービス「LISMO WAVE(リスモ・ウエーブ)」を26日に始めると発表した。専用アプリを端末にダウンロードして利用する。KDDIは、出遅れたスマートフォンでの巻き返しが課題で、1台の端末で全国のFMラジオを聴けるのを売りとする新サービスをてこに、スマートフォンの販売に弾みをつける。
対象機種は、昨年11月に発売された「IS03」などのスマートフォン3機種と、従来型の携帯電話1機種。スマートフォンの場合は「au one Market」から専用アプリをダウンロードする。携帯電話回線網や無線LAN(構内情報通信網)を利用してFMラジオを聴く。月額利用料は315円だが5月末までは無料とする。
都内で行われた発表会で、KDDIの高橋誠専務は「音楽はクラウドの時代に突入する。利用者に新しい音楽との出会いを提供したい」と語った。
一方でラジオ局側も、市場が急成長するスマートフォンでもFMラジオを聴ける環境を提供することで、若年層など新たな聴取者の開拓や、減少している広告収入の増加につなげる。
インターネット経由で聴けるラジオでは、東京、大阪の民放ラジオ局13社と電通による共同出資会社が、ラジオ番組を放送と同時にネット配信するサービス「radiko(ラジコ)」を展開。放送エリアが無制限の「リスモ・ウエーブ」とは異なり、無料だが、現在は在京7社と在阪6社の放送地域がサービス対象となっている。