米大リーグ選手会は28日(日本時間29日)、選手間投票で選ぶ「プレーヤーズ・チョイス・アワード」各賞を発表し、エンゼルスの大谷翔平投手(27)がリーグ全体のMVPにあたる「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手)」とア・リーグ最優秀野手「アウトスタンディング・プレーヤー」を同時受賞した。MVPの受賞は日本選手では初の偉業。
同選手会の公式ツイッターでは大谷の受賞発表とともに約3分間の動画を投稿。この日発表された各賞受賞者による祝福の声を紹介した。
大谷とともにMVP最終候補に挙がり、ナ・リーグの最優秀野手に輝いたフィリーズのハーパーは「すごいとしか言いようがない」、「おめでとう、ブラザー。見ていてとても楽しかったよ。投げて、打って、ともに素晴らしい1年だった。これからも楽しみにしている」とコメント。7月の球宴では先発投手として投げ合い、今回はナ・リーグ最優秀投手に選ばれたシャーザー(ドジャース)は「こんな投球と打撃を同時にする選手は見たことがない」と驚きの声を上げる。
ナ・リーグのカムバック賞を受賞したジャイアンツの人気捕手ポージーが「リトルリーグで全力でプレーする12歳がそのまま大人になったようだ」と表現すれば、ア・リーグのカムバック賞に選ばれたオリオールズのマンシーニは「彼は投げていなくてもMVP候補に挙がるし、打っていなくてもメジャー最高の選手ですね」と話した。
社会貢献を称える「マービン・ミラー賞」に選出されたセミエン(ブルージェイズ)は「控えめに言っても彼はすごい才能の持ち主。肩、スピード、パワー、すべてがすごい」。ア・リーグの最優秀投手に輝いたレイ(ブルージェイズ)は「彼はファイブツール・プレーヤー(すべてを兼ね備えた選手)だ。外野のコーナーに打ったと思ったら、次の瞬間には三塁に立っている。なんでそんなことができるのって感じですね」と言った。
大谷の同僚で19年に選手会MVPを獲得しているトラウトは「ショウヘイ、おめでとう。長いイニングを投げた次の日に2本のホームランを打つなんて特別なことだ。歴史的瞬間を目撃できて最高だ」との言葉を贈った。
大谷は4年目の今季、投打同時出場20試合を含む158試合に出場し、打者ではメジャー3位の46本塁打、100打点、26盗塁を、投手では23登板で9勝2敗、防御率3・18、156奪三振を記録した。負傷者リストに1度も入ることなく、長いシーズンを完走。勝利への貢献度の指標となる「WAR」は投打合わせるとメジャー最高の9・0をマークした。