NHKは15日、テレビ番組を放送と同時にインターネット配信するサービス「NHKプラス」を含めたネット関連事業費について、受信料収入の2.5%以内とする上限を撤廃する案を公表した。意見公募を経て総務省に認可申請する。これまでテレビ放送の「補完」と位置付けてきたネット事業の拡大を目指すもので、民放各社が一段と反発することは必至だ。
NHKのネット関連事業費は2020年度予算で170億円(五輪関連除く)と、受信料収入(約7000億円)の2.4%。15日に公表した案では、21~23年度のネット事業費が2.9%程度まで拡大するとの見通しを示した。
NHKは4月から「NHKプラス」を1日18時間配信しているが、生放送番組を中心に深夜・早朝の配信時間を拡大したい考え。
ネット関連事業費をめぐっては、NHKが昨年、受信料収入の最大3.8%まで拡大できる計画を総務省に申請。しかし、民放各社などに「民業圧迫」の懸念が強まり、最終的に五輪関連を除き2.5%以内とした経緯がある。
一方、日本民間放送連盟(民放連)は15日、総務省の有識者会議で「放送とネット活用を横並びに位置付けている」とNHKのネット事業拡大に懸念を表明。併せて、衛星放送を含めたNHKの現行受信料(月額2230円)の引き下げを求めた。