NHK仙台放送局が移転、新築 ホテル仙台プラザ跡へ

 NHKが仙台市青葉区錦町の仙台放送局を、青葉区本町のホテル仙台プラザ跡地に移転新築する方針を固めたことが31日、分かった。ホテルと一体的な構造になっている旧斎藤報恩会自然史博物館の立地分も含めた土地の取得などについて、9月1日にも発表するとみられる。ホテルはことし3月13日で閉館しており、跡地利用が注目されていた。
 ホテルは敷地約4740平方メートルで、現在は東京海上ホールディングス傘下の特定目的会社が建物も含めて所有。旧博物館は約1440平方メートルの敷地、建物ともに、不動産会社アトリウム(東京)のグループ企業が所有している。
 NHKによると、現在の仙台放送局は1961年3月完成、同9月運用開始。地上5階地下1階、延べ床面積1万1305平方メートルで、敷地面積は6279平方メートル。築50年を経過し、老朽化が進んでいるため、以前から仙台市中心部などに移転先を探していた。ことし3月の東日本大震災では一部に被害が出た。
 NHKの松本正之会長は7月14日の衆院総務委員会で「用地を取得した上で建設にかかる。(震災の影響もあり)条件が整えば早くスタートしたい」と説明。完成までには「5、6年はかかりそうだ」との見通しを示している。
 東京や大阪にあるような音楽ホールの併設の可能性については、想定される稼働率の低さを理由に挙げ、「考えてはいない」と否定している。
 仙台放送局は河北新報社の取材に「現段階ではコメントできない」としている。
 ホテル仙台プラザは経営環境の悪化などからことし3月25日での閉館を決めていたが、震災による被害が大きく、予定を早めて閉館。旧斎藤報恩会自然史博物館は2009年3月、当時運営していた財団法人の事業見直しで閉館していた。

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