[東京 28日 ロイター] -NTTコミュニケーションズ(東京都千代田区)が、クラウド事業を手掛ける米バーテラ・テクノロジー・サービス(コロラド州)を買収する方針を固めたことが28日、分かった。
さらにクラウド関連の米社をもう1社を取得する計画で、関係者によると、買収総額は1000億円弱になる見通し。NTTコムは世界的にクラウド事業を強化しており、買収で海外展開を加速する。
バーテラは世界の通信事業者と提携し、190カ国以上で法人向けデータ通信回線を提供している。これまでNTTコムは現地の業者から回線を借りて顧客にクラウドを提供するケースが多かったが、バーテラを買収することで自前でまかなえるようになる。顧客企業の要望に迅速に応えられるほか、コストの引き下げが期待できる。
企業の間では、インターネットを通じてソフトウエアを利用したりデータを管理するクラウドへの需要が高まっている。NTTコムの主事業は日本国内の長距離通信と国際通信だったが、音声収入の落ち込みなどから、ここ数年は成長が見込めるクラウド事業を強化している。2011年度に840億円だったクラウド関連の売上高を、15年度までに2000億円以上へ引き上げる。
香港や上海、インドなどアジアはデータセンターなどの拠点を整えつつあるが、米国はさらに拡充が必要で、バーテラのほかにクラウド関連企業をもう1社を買収する。