PFI導入によるメリット確認 富谷市、地下鉄延伸の調査結果報告

仙台市地下鉄南北線泉中央駅(泉区)以北の地下鉄延伸を巡り、宮城県富谷市は1日、同市役所で開いた市総合交通検討委員会の会合で、PFI(民間資金活用による社会資本整備)方式に関する調査結果の概要を報告した。建設費や運行経費の削減といったメリットを指摘し、具体的な事業者を想定した検討を今後の課題として挙げた。

 調査は、富谷市が福岡市のコンサルタント業者に委託し、実施した。泉中央-明石台間に単線の地下鉄を2040年に開業すると仮定し、ルートと中間に置く駅の数に応じ5案を提示。整備費を308億~405億円、運行経費を年4億1000万円と見積もった。

 PFI方式の導入により、交通事業者などが建設や施設の維持管理を手掛ける場合と比べ、建設費を10%、運営費を7%削減できるとし、運賃収入の5%に当たる運賃外収入を得られるとの見通しを示した。

 交通分野でPFIの先例がないことから「今後は事業者を想定した検討が必要」と指摘した。

 市によると、今回の調査は、他の交通機関の運賃や駐車料金といった新たな要素を、利用人数の予測などに反映させたという。

 市交通政策推進室の担当者は「より精度の高い数字が示され、PFIのメリットを確かめることができた」と話す。結果を踏まえ、市は22年度も事業化に向けた調査を続ける方針。

 市は19年度にまとめた都市・地域総合交通戦略の基本計画で、30年以降の長期目標として、泉中央-明石台間の地下鉄整備を例示。当時は事業費を400億~600億円、運行経費を年間4億3000万円と試算した。

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