PS3に援軍 欧州も「ブルーレイ」シフト

【ロンドン=蔭山実】次世代DVD規格「ブルーレイディスク(BD)」方式の製品が、欧州市場でも拡大の兆しをみせている。BDを再生できるテレビゲーム機が欧州で発売されことを契機に需要増が見込まれるからだ。BD陣営のソニーは、BD対応の再生機器と映画ソフトなどのコンテンツを両輪に、欧州市場で攻勢をかけている。
 ソニーが松下電器産業などと普及を目指すBDは、東芝などが提唱する次世代規格「HD DVD」と激しいシェア争いを繰り広げている。記憶容量が現行のDVDの5~10倍と大きく、BD規格の映画ソフトは未公開シーンや出演者らのインタビューを収録できるなど可能性も広がった。
 欧州では3月に、BDが再生できるソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)のゲーム機、「プレイステーション3(PS3)」の販売が始まり、ソニーはBD市場拡大をうかがっている。

 ソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンターテーメント・ヨーロッパのマット・ブラウン副社長(国際担当)は「米国でPS3を昨年11月に発売して以降、BD対応ソフトの売り上げは700%も増えた。欧州市場拡大も楽観している」と語る。映画「007」シリーズの最新作「カジノ・ロワイヤル」が欧州で大ヒットし、PS3発売1週間で「カジノ・ロワイヤル」のBD対応ソフト1万枚が売れたことも幸先のよい出足となった。
 同副社長がBDの普及条件に挙げるのはやはりコンテンツだ。大手映画会社8社のうち7社がBD規格を支持し、「昨年、米国でヒットした映画上位20作品のうち1作品以外はすべてBDを支持している映画会社の作品だった」と、BDの強みを強調。ユニバーサルが早期にBDも支持することに期待している。
 今後、「戦場にかける橋」や「アラビアのロレンス」などの名画についても、完璧(かんぺき)な画質、音質を提供できると見極めた上でBD対応版を製品化していく方針という。

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