米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、日本の長期国債の格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げたと発表した。日本の債務残高比率が今後も上昇し、2020年代半ばまで下降に転じないと判断したため。民主党政権に債務問題に対する一貫した戦略が欠けていることも理由に挙げた。
S&Pでは、中期的には、大規模な財政再建策が実施されない限り、2020年より前に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の均衡は達成できないと予測。政府が昨年決定した財政運営戦略で掲げる同年度までの黒字化は達成できないと断じた。
また長引くデフレや急速な高齢化による社会保障関連費の増大が続く中、抜本的な改革を実施しないと、日本の財政はさらに悪化すると警告。政府が表明している社会保障制度と消費税率を含む税制の一体改革についても、「これにより大幅に改善する可能性は低い」と指摘した。