仙台市議会が議会棟内の喫煙室の存続を決めたことに関し、河北新報社は会員制交流サイト(SNS)の無料通信アプリ「LINE」やツイッターを使い、読者らに賛否や意見を尋ねた。喫煙室の存続に「反対」は過半数の59%を占め、「賛成」の35%を大きく上回った。反対派は「税金を投じてまで屋内喫煙所が必要か」と疑問視し、賛成派は「喫煙者の権利も無視できない」と擁護した。
アンケートは11月20~22日、「読者とともに 特別報道室」のLINEでお友だち登録している人に質問を送り、ツイッターにも質問を投稿。制限時間内に計1688件の回答が寄せられた。内訳は反対988件、賛成598件、その他102件だった。
泉区の女性パート従業員(46)は「(喫煙する)十数人の議員のための税金投入は、いかがなものか」と指摘。青葉区の女性パート従業員(59)も「喫煙しない人も支払う税金で、なぜ(喫煙室の改修)工事するのか」と異論を唱えた。
若者も意見を寄せた。太白区の男子大学生(22)は「たばこを購入する議員に票を投じたくない」と嫌悪感を示し、宮城県涌谷町の男子中学生(14)は「たばこを控える世間の流れに逆行している」と回答した。
反対の声は喫煙者からも上がった。太白区の自営業男性(54)は「市民の喫煙場所がなくなっているのに、議員だけが優遇されるのはおかしい」と強調した。
「いい大人が議会に来ている時ぐらい、喫煙を我慢できないのか」と批判するのは東松島市の非喫煙者の主婦(56)。太白区の男性会社員(49)も自身は喫煙者とした上で「議員なら公務中は(喫煙を)控えるべきだ」と記した。
一方、賛成派は喫煙議員の立場をおもんぱかる。若林区の無職男性(69)は元愛煙家。「喫煙者にも権利がある。喫煙者だって税金を払っている」と訴えた。
泉区の女性会社員(61)は自身は非喫煙ながら「(喫煙室は)赤ちゃんの授乳室が別にあるのと同じではないか。多様に優しい社会を」と寛容性を望んだ。
喫煙室の存続を逆説的に支持する意見もあった。青葉区の女性会社員(45)は「公園やコンビニ前(で喫煙者が吸うたばこ)の煙で迷惑している。喫煙室の存続で少しでも解消につながるなら必要」と主張した。