ソフトレンタル最大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は3日、経営陣による自社買収(MBO)で非上場化することを決めたと発表した。インターネットでの動画配信などデジタルコンテンツ事業を強化するため、経営の自由度を高める必要があると判断した。
同社の増田宗昭社長が設立したMMホールディングス(東京都千代田区)が、株式の公開買い付け(TOB)を実施する。買い付け期間は4日から3月22日までで、買い付け価格は1株当たり600円。2日までの直近1カ月の終値の平均値(469円)を27.8%上回る水準とした。全株取得した場合の買い付け総額は696億円。MBO成立後に、CCCとMMホールディングスを統合する。
同日会見した増田社長は、「デジタルコンテンツへの対応や中国進出などを実現するには、短期的に収益面などから株主に迷惑がかかる可能性がある」と、MBOの理由を説明。「上場しているとどうしても株主の方を向いた経営になる。行ったことのないジャングルに安心して突入できる態勢を確保したい」と述べた。
非上場化後は、M&A(合併・買収)なども視野に入れる。将来的な再上場の可能性については「まったくない」と断言した。