UHBに80万円支払い命令…札幌地裁

 詐欺容疑で逮捕後、不起訴処分となった札幌市の建設会社社長(64)が、犯人であるかのように報道され、経営するラーメン店の信用が損なわれたとして、北海道文化放送(UHB)に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁であった。石橋俊一裁判長は「原告の社会的評価を低下させる内容で、名誉を毀損(きそん)した」などとしてUHBに対し、社長に80万円を支払うよう命じた。
 訴状などによると、社長は2008年10月、建設会社の従業員の雇用を巡り、雇用保険をだまし取ったとして道警に逮捕されたが、同11月に不起訴処分となった。UHBは逮捕後、原告が経営するラーメン店を報道番組で取り上げ、「ラーメン(の味)に偽りはなくても、国をだましていた疑いがある」などと放送したという。
 原告側は「無関係のラーメン店を取り上げて店の信用を失わせた上、原告も犯人であるかのような印象を持たれた」などと主張。UHB側は「容疑を否認している事実も伝え、犯人と断定していない。有名ラーメン店の経営者である事実を報道したのは、社会の関心や要請に応えるものだ」などと反論していた。
(2011年2月25日 読売新聞)

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