WHOが採択したトンデモ指針 (ゲンダイネット)

●飲み放題も安売りもダメ!
 近い将来、酒が自由に飲めなくなるかもしれない。
「WHOが20日の年次総会で、『アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略』を全会一致で採択したのです。法的強制力はありませんが、酒類の安売り禁止や広告の自粛などが盛り込まれ、各国政府に対応を呼びかけています」(酒業界誌ライター)
 ほっといてくれ! と言いたくなる指針案ではないか。大手5社が加盟するビール酒造組合の事務局は「あくまで“有害な飲酒”を規制するもので、影響は限定的」と平静を装うが、この秋からテレビCM自粛時間帯を拡大するという。
「適度の飲酒は健康維持につながると疫学的に証明されていますし、ストレス発散や“飲みニケーション”のメリットはWHOも認めている。規制強化の対象になるのは、飲酒運転や未成年者の飲酒などの有害行為です。成人が節度を保って飲む分には、問題ありません」(ビール酒造組合)
 とはいえ、今のたばこ規制だって、元をたどれば03年に採択されたWHOの「たばこ規制枠組み条約」だ。禁酒ファシズムが巻き起こる可能性は否定できない。
「そうなれば、まず酒税がバカみたいに跳ね上がるでしょう。急性アルコール中毒を防ぐために、宴会はお断りという店が出てくる可能性もあるし、酒嫌いの首長が飲酒禁止条例を制定するかもしれない。飲酒量は1人年間これだけと上限を決められ、政府が発行したチケットと交換するような配給制になってもおかしくありません」(前出の業界誌ライター)
 そんなバカな……と笑うかもしれないが、WHOは政策例として「割引販売、原価割れ販売および飲み放題均一料金などの大量販売を禁止、あるいは制限する」とか「小売り販売の日数および時間を制限する」とかを挙げている。あながち絵空事でもないのだ。
 何でも規制、規制の世の中、仕事帰りの一杯まで規制されたらたまらない。まったく、暮らしにくい世の中になったものだ。
(日刊ゲンダイ2010年5月25日掲載)

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