「住みよさランキング2024」全国総合トップ200

1993年から毎年公表している「住みよさランキング」は、住みよさを表す各指標について偏差値を算出して、その平均値を総合評価として順位付けしている。この記事では、全国総合トップ200までのランキングを公開。総合評価を基にした都道府県別の上位3位のランキングも併せて掲載している。

算出指標は、カテゴリー別(安心度・利便度・快適度・富裕度)の4つからなる20項目を選択。なお、より詳しい情報は『都市データパック』2024年版に掲載しているのでそちらも参考にしていただきたい。

総合1位は熊本県人吉市

住みよさランキング2024年総合1位は、昨年初のトップ10入りを果たした熊本県人吉市。人口は約3万人。人吉温泉や球磨川下りができる自然豊かな観光資源を有しており、観光地としての側面を持ち、人口規模のわりに飲食店が多く、「⑩人口当たりの飲食店数」の指標では1位。

「住みよさランキング2024」のほか詳細データは『都市データパック』に掲載。書影をクリックすると東洋経済STOREへジャンプします

次いで総合2位は、前回3位の福井県福井市。前回同様に利便度(32位)の順位が特に高く、富裕度を除く3つのカテゴリーで前回順位を上回った。そして総合3位は、東京都文京区が続いた。

今号より「②老年人口当たり介護保険施設定員数」の指標に「介護医療院定員数」を加算している。その関係もあり2024年版の総合順位は例年に比べて変動が大きかった。誌面大判化による算出方法の見直しを行った2019年以来石川県勢がトップ10から外れたのは初となる。

それに取って代わったのが、熊本県合志市(5位)、神奈川県鎌倉市(7位)、滋賀県草津市(10位)。3市がトップ10入りするのも初となる。

「住みよさランキング2024」算出指標  
■ランキングの対象
2024年6月時点で、全国にある市と特別区(東京23区)が対象。特別区のうち、千代田区、中央区、港区の3区は対象から除外しており、812市区を対象としている。
■算出指標
「安心度」、「利便度」、「快適度」、「富裕度」の4つの視点から、20のデータを用いて算出。
■算出方法
各指標について、平均値を50 とする偏差値を算出。すべての指標の偏差値を平均したものを「総合評価」としている。また、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」の部門ごとの平均偏差値での順位づけを行っている。偏差値は、特異数値による過度の影響を避けるため、各指標の最高を70、最低を30に調整しており、末尾に※を付した指標は、小→大の順に算出。また、財政力指数、人口当たり法人市民税は特別区を除外して算出している。

【安心度】
①人口当たり病院・一般診療所病床数(2022年10月):厚生労働省「医療施設調査」
②老年人口当たり介護保険施設定員数(2022年10月):厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」
③20~39歳女性人口当たり0~4歳児数(2023年1月):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
④子ども医療費助成(対象年齢・所得制限の有無)(2024年4月):東洋経済調べ
⑤人口当たり刑法犯認知件数(※)(2022年):各都道府県警察調べ
⑥人口当たり交通事故件数(※)(2022年):交通事故総合分析センター調べ
【利便度】    
⑦人口当たり小売販売額(2020年):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑧人口当たり大規模小売店店舗面積(2023年):東洋経済「全国大型小売店総覧」
⑨可住地面積当たり飲食料品小売事業所数(2021年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
⑩人口当たり飲食店数(2021年6月):総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」
【快適度】    
⑪転出入人口比率(2022年):総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」
⑫水道料金(※)(2024年4月):東洋経済調べ
⑬汚水処理人口普及率(2023年3月):国土交通省、農林水産省、環境省調べ
⑭気候(月平均最高・最低気温、日照時間、最深積雪)(1991~2020年):気象庁「メッシュ平年値データ」
⑮都市計画区域人口当たり都市公園面積(2023年3月):国土交通省「都市公園整備現況一覧表」
【富裕度】    
⑯財政力指数(2022年度):総務省「市町村別決算状況調」
⑰人口当たり法人市民税(2022年度):総務省「市町村別決算状況調」
⑱納税義務者1人当たり所得(2022年):総務省「市町村税課税状況等の調」
⑲1住宅当たり延べ床面積(2018年10月):総務省「住宅・土地統計調査」
⑳住宅地平均地価(2023年7月):国土交通省「都道府県地価調査」

(注記)
・①の病床数は、各市区で算出した値と「二次医療圏」で算出した値を比較し、高い値で偏差値を算出。
・④の子ども医療費は、対象年齢と所得制限の有無を東洋経済が指数化して偏差値を算出。
・⑦の小売販売額、⑧の大型店面積は、各市区で算出した値と「東洋経済生活圏」で算出した値を比較し、高い値で偏差値を算出。
・⑭の気候は、月平均最高気温、月平均最低気温、日照時間、最深積雪のそれぞれの偏差値の平均値を採用。

都道府県別のトップ3 ①

都道府県別のトップ3 ②

都道府県別のトップ3 ③

都道府県別のトップ3 ④

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