「社員の時給が高い会社」ランキングトップ100

アルバイトなどを募集する際には必須情報の時給。では、上場企業など大手・有名企業の社員の時給はいくらくらいなのだろうか。今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』掲載の平均年収を年間総労働時間で割った各社の「計算時給」を算出(平均年収の元データは1円単位)。この上位100社をランキングした。「時間当たりの収入が高い企業」をご紹介する。


『CSR企業総覧2021年版[雇用・人材活用編]』(東洋経済新報社)。書影をクリックすると販売サイトにジャンプします

ランキング1位は昨年に引き続き総合商社の三菱商事で8518.9円。2019年度の平均年収は1631.8万円で総労働時間は1915.6時間。社員の平均年齢は42.6歳で新卒入社して20年後にこのくらいの時給になると考えてよいだろう。

フレックスタイム、短時間勤務、半日単位の有給休暇、在宅勤務など柔軟な働き方を実現できる制度が充実。男性の育児休業は2019年度で取得率50.9%(110人)まで増加するなど、仕事と子育てが両立できる職場に変わりつつある。

資格・技能検定の取得奨励制度や自由応募形式の無料講座などスキルアップの機会も数多く用意されている。

SDGsにも積極的に取り組む

次世代ビジネスを通じた社会課題解決や低炭素社会への移行を目指し、SDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組む。

チリのアタカマ砂漠や中東カタールといった渇水地域で海水淡水化プロジェクトを行い、安定した水供給実現に貢献。コロンビアでは年間約300世帯の小規模コーヒー生産農家に対して技術支援や教育プログラムを行い品質向上、増産をサポートする。ここで生産されたコーヒー豆の一部は自社でも購入している。

ブラジルのバイア州南部では小規模貧困農家を支援。職業訓練学校に通う貧困層の学生約300人に対して、合宿形式の指導および故郷での実習、市民向け農村セミナー等を通じて同地域での農業技術普及を後押しする。

ボランティア休暇も2019年度で年間138人が取得。社会課題を解決しようという意識の高い人材が多く在籍している。

2位は不動産業のヒューリックで8040.9円。平均年収は1760.9万円で総労働時間は2190.0時間。週1回以上の「ノー残業デー」の設定や非効率業務や会議の削減を行うなど働き方改革を進めている。

3位は総合商社の伊藤忠商事で7634.1円。平均年収1565.7万円、総労働時間2051.0時間だった。CSR活動の目標の1つに「働きがいのある職場環境の整備」を掲げ、社内公募制度やFA制度などを積極的に推進している。

4位は電通グループで7540.4円。平均年収は1435.7万円、総労働時間1904.0時間だった。

以下、5位住友商事7265.0円、6位丸紅7219.1円、7位ソフトバンクグループ7204.9円、8位三井物産7183.2円、9位三菱地所7075.1円、10位ストライク6999.5円と続く。

21位野村総合研究所6025.1円までが6000円超え。42位日本郵船5016.1円までが5000円を超えている。

対象企業の計算時給の平均値は3605.7円

ランキング対象779社の計算時給の平均値は3605.7円。国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査」によると2018年の正規雇用の平均給与(年収)は503.4万円。年間総労働時間を上記779社の平均労働時間1969.4時間で計算すると時給は2556.1円になる。今回対象の平均とは1000円以上の差がある。

このように今回紹介した企業が従業員に高い時給計算の給料を払えるのは、高付加価値のビジネスを行えている証拠でもある。事業活動で高い付加価値が得られるため、教育システムや福利厚生も充実している。さまざまな社内制度が利用でき、能力を高めるチャンスも多い。SDGsなどすぐにビジネスになりにくい分野でも長期視点で取り組むことが可能だ。従業員にとって魅力的な職場である可能性も高い。

さて、就職活動中でこの一覧を見ている方はトップの三菱商事など誰でも知っている会社だけではなく、なじみのない社名をさらに調べることをお勧めする。すばらしいビジネスモデルで高い業績を上げ、従業員に報いることができている会社があるはずだ。その際に『CSR企業総覧』でさらに追加で調べていくと、より重要な情報が得られるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。

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