1~2年前のiPhoneを「2年間24円」で利用できる…最新機種は10万円超のスマホを格安で買い替える3つの方法

円安を理由に多くの食品や日用品が値上げされていますが、スマートフォンも例外ではありません。毎年新作が販売されるiPhoneを例に挙げてみましょう。

昨年発売されたiPhone15(128GB。以後同)の定価は12万4800円となっています。22年のiPhone14が11万9800円、21年のiPhone13は9万8800円だったことを考えると、2年で約25%の値上がりです。

ですが、アメリカ版の価格を見てみるとiPhone12〜15の価格は799ドルで据え置きとなっています。端末自体が値上がりしたのではなく、スマートフォンが為替の影響を強く受ける商品だということがわかります。

そして、為替による端末価格の値上がりと同時に、日本では電気通信事業法の改正によって端末に大幅な割引をかけることが難しくなっています。現在では一部の例外を除いて、携帯ショップで受けられる割引上限が4万4000円までとなってしまいました。とはいっても、キャリア側も何でも4万4000円引きをしてくれるわけではないため、「目当ての機種には一切割引がない」ということも珍しくありません。

このような状況のため、現在は自分でコストを下げるための工夫や情報収集をすることの重要性が高まっている時代だといえます。

■レンタル施策で端末代が24円

最新機種を使うことにあまりこだわりがない人であれば、キャリアの購入施策を利用した端末レンタルが視野に入ります。

キャリアごとに施策の名称は異なり、NTTドコモは「いつでもカエドキプログラム」、auは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクは「新トクするサポート」となっていますが、仕組みは同じです。

これは対象機種を分割で購入し、25カ月目に返却することで残りの残債を放棄することができるという事実上のレンタル施策なのですが、週末や月末の携帯ショップや家電量販店では、この施策に割引を併用してくれることがあり、支払いが毎月1円を24カ月、つまり24円で2年間端末をレンタルできることがあります。最新機種が「毎月1円」の対象になることは滅多にありませんが、1〜2年前のモデルであれば、さほど労なく見つけることができるでしょう。最新機種にこだわりがなく、レンタルという形にも抵抗がないのであれば、2年おきにレンタルを繰り返すことでほとんど手出しなく端末を使うことができます。ただし、返却時に画面割れや破損があった場合は別途支払いが必要になるため、使い方には注意が必要です。

■ギフトカードを積み立てしよう

最新のiPhoneにこだわりのある人は、小売店で行われているギフトカードの施策を活用しましょう。

コンビニや家電量販店で買えるApple Gift Cardはアプリの購入や課金に使えるだけでなく、Apple公式サイトで端末購入に使うことができます。このギフトカード購入時に、何らかの特典がもらえる施策が開催されることがあり、この時期を狙ってギフトカードを買いだめすることで実質的な価格を抑えることができます。

たとえば、今年4月にはセブン‐イレブンのレジで自分のAppleアカウントにチャージを行い、レシートを特設サイトから登録するとチャージ額に対して10%分の交通系電子マネーがもらえる施策が行われていました。

この施策は1アカウントにつき5万円が上限だったので、こうした施策を3回待ってギフトカードを貯めれば、新型のiPhoneも実質1割引で購入することができます。ブログ「iTunesCard 割引販売速報」では最新の施策がまとめられているため、こまめにチェックするといいでしょう。

ただし、還元方法や特典は施策により異なるため、対象外とならないよう、購入前に施策の詳細をよく読みこみましょう。特典の受け取り期間が短いケースも多いため、うっかり特典をもらい忘れると大損です。

■中古でも高く売れる機種は⁉

そして最後は、「新機種を買って、数年したら中古端末として売ってしまう」という方法です。

購入したものを売却する際の再販価値のことを「リセールバリュー」と呼び、車ではトヨタのランドクルーザーやプリウスなどがリセールバリューの高い車種として知られています。スマートフォンも、車のようにリセールバリューを考えながら選ぶことも選択肢のひとつです。

【図表】スマホでも「リセールバリュー」を考えよう

表は、当時の高額端末の定価と、ビックカメラグループの中古スマホ店「じゃんぱら」の買取価格の比較表です。これにより「これらのスマートフォンを買って今売ったら、買値の何%で売れるのか?」ということがわかります。

端末が古くなるにつれて買取価格が安くなるのは当たり前ですが、iPhoneの場合は中古端末でも値下がりが緩やかで、約3年前のiPhone13であっても定価の6割以上で売れることがわかります。特に需要の高いProシリーズのiPhoneは買取価格の増額キャンペーンが行われることも珍しくないため、リセールバリューの面では有利な買い物だといえます。

一方で、Androidに関しては値崩れが早いことがわかります。しかし、前述の端末レンタル施策は、言い換えると「2年後に決まった値段で旧機種を買い取ってくれる施策」ともいえるので、Androidは端末レンタルがかなり有効だといえます。

現在はスマートフォンを安く買うということに関して冬の時代だといえますが、工夫を凝らすことで自身のマネーリテラシーを向上させるチャンスだと、前向きに捉えましょう。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年7月19日号)の一部を再編集したものです。

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山野 祐介(やまの・ゆうすけ)
行動するお金博士
1991年生まれ。自らの節約生活をもとにした「1%でも安くしたいっ!」を月刊誌で連載中。節約術やお金の最新事情に精通。

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(行動するお金博士 山野 祐介)

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