東北運輸局がまとめた東北の2024年上半期(1~6月)の外国人延べ宿泊者数(速報値)は109万6970人となり、上半期としては統計がある07年以降の最多を更新した。円安などが追い風となり、前年同期から約8割増加した。これまで最多だったコロナ禍前の19年同期も3割ほど上回った。
東北の1~6月の外国人延べ宿泊者数の推移はグラフの通り。
24年は1月から6カ月連続で各月の最多記録を更新し、6月は13万8200人となった。県別でも全県で前年同期を上回り、大型宿泊施設が少ない秋田を除く5県で最多を記録した。
円安の影響のほか、コロナ禍で運休した国際定期便やチャーター便の再開が東北の空港で相次ぎ、インバウンド(訪日客)の増加につながったとみられる。
ただ、全国の外国人延べ宿泊者数に占める東北の割合は、6月はわずか1%にとどまり、東京、京都、大阪が約6割を占めた。東北運輸局の川崎博局長は「リピーター誘客は(他地域との)競争になる。観光地の魅力をどのように発信するかが課題だ」と指摘した。
東北の1~6月の日本人延べ宿泊者数は前年同期比2・6%減の1627万3000人で、19年同期は2割ほど下回った。東北の人が東北を旅行する場合に、日帰りを選ぶケースが増えたことが影響した可能性がある。