10月増税後に開始、最大5%還元の「キャッシュレス・消費者還元事業」とは?

いよいよ10月1日に消費税率が10%に引き上げられてしまいますが、これに伴う消費の冷え込み対策として、経済産業省は「キャッシュレス・消費者還元事業」を10月1日から実施します。

これは、加盟店で対応したキャッシュレス決済(クレジットカードやデビットカード、各種電子マネー、QRコード決済など)を行うと、5%あるいは2%の還元が受けられるというもの。加盟店側は決済端末が無料で設置でき、2020年6月までは手数料の3分の1を国が負担するなどのメリットがあります。

あまり大きな話題になっている印象はありませんが、8月30日には決済手段として利用できるキャッシュレス決済サービスも発表され、着々と準備は進められています。

ただこのキャッシュレス・消費者還元事業、「キャッシュレス決済を行うと最大で5%の還元を受けられる」と一見するとシンプルな内容ではありますが、実際には分かりづらいことも多く、注意が必要になりそうです。

利用できるキャッシュレス決済手段

まず利用できる決済手段ですが、キャッシュレスならなんでもOKというわけではありません。利用できる決済手段は、キャッシュレス・消費者還元事業のサイトで検索できます

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ここで検索すると、たとえば、QRコード決済では、PayPayやLine Payは利用できますが、楽天ペイやメルペイは出てきません。電子マネーではSuicaやPasomoは対象ですが、楽天Edy、nanaco、WAONは見つかりません。

ただ、これらの見つからないサービスも、8月19日時点の情報ではいずれも利用可能となっていました。メルペイもキャッシュレス・消費者還元事業への参加を表明しているので、登録漏れ、あるいは登録作業中と考えておいたほうが良さそうです。

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9月中旬以降に、各サービス毎のポイント還元の詳細を追加するとのことなので、その際に、利用できるサービスが追加される可能性もありそうです。

還元率は基本5%、コンビニなどでは2%

次に還元率ですが、基本は5%です。ただし、コンビニなど本部が別にあるフランチャイズ店では2%となります。

そしてコンビニでの還元ですが、例えばセブンイレブンという大きな括りで対象になっているわけではなく、各店舗が個別に参加申請を行う必要があるようです。このため、同じセブンイレブンでも、還元を受けられない店舗が出てくる可能性もあります。

どこで還元を受けられるかは、公式サイト上で加盟登録した店舗の一覧が公開(PDF)されています。

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なお、キャッシュレス・消費者還元事業は「中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する事業」であるため、大手量販店などでは還元を受けられません。

Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイトでは、コンビニの場合と同様に各加盟店が個別に申請していれば還元を受けられます。ただこの場合も、中小企業の枠からは外れる大企業は還元の対象外です。

還元方法は即時とあとからの2種類

還元方法も大きく分けて2種類あります。1つは、利用したキャッシュレス決済手段により、後日(たいてい1~3か月後)ポイントとして還元されるもの。QRコード決済などで一般的なスタイルです。

もう一つは、購入時に即時還元を行う方法。ようするにその場での値引きです。大手コンビニ4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)は、この即時還元の方法をとると日経新聞が報じていました。また、ファミリーマートは個別にプレスリリースを行っています。

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コンビニでの還元率は2%ですが、少なくともキャッシュレスで購入する場合には、増税分を気にする必要はなさそうです(2020年6月までの、9か月間のみですが)。

今回の増税と同様、全体的に非常に分かりづらいキャッシュレス・消費者還元事業ですが、9月中下旬には、利用できる店舗などがみられる専用アプリもリリースされるとのこと。キャッシュレスを使って、増税の影響を少しでも減らしていきたいものです。

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