物価高騰が続く中、10月から身近な食品で今年一番の値上げラッシュを迎える。
社会保障では負担増となる制度の見直しもあり、家計を一層圧迫しそうだ。
帝国データバンクによると、10月に値上げされるのは約6500品目。今年に入って突出した多さで、かねての原材料や原油の高騰に加え、為替の円安も追い打ちをかける。この秋以降、食卓の負担感はより強まりそうだ。
アサヒ、キリン、サントリー、サッポロのビール大手4社は、そろってビール系飲料や缶チューハイの価格を引き上げる。4社が缶ビールを値上げするのは14年ぶり。ビール系の店頭価格は4~13%上がると想定する。キリンのビール「一番搾り」(350ミリリットル缶)はコンビニで税込み220円前後で売られており、これが10~30円ほど高くなる見込み。
500ミリリットル前後のペットボトル飲料をおよそ四半世紀ぶりに値上げする会社もある。サントリー食品インターナショナルやキリンビバレッジ、アサヒ飲料は希望小売価格をボトル缶なども含めて4~25%引き上げる。サントリーの緑茶「伊右衛門」(525ミリリットル)は税抜き160円、コーヒー「クラフトボス ブラック」(500ミリリットル)は同180円にし、ともに20円高くする。
急激なコスト増に耐えかね、今年2回目の値上げに踏み切る商品も出てきた。
■「シャウエッセン」「元祖ボンカレー」も
キユーピーと味の素は、3月に続いてマヨネーズの価格を引き上げる。「キユーピー マヨネーズ」(450グラム)の参考価格は39円上げて税込み475円。両社ともに昨年7月にも値上げしており、この1年あまりで3回目を数える。キユーピーによると、第1次石油危機の影響を受けた1973~74年に4回続けて値上げしたことがあり、今回は当時に匹敵するペースでの引き上げだという。