若者に選挙への関心を持ってもらおうと、ひたちなか市の市民団体が10月25日投開票の同市議選で、投票と買い物での割引を連動させた「センキョ割」を実 施する。子育て世代の主婦が中心となり、学生も巻き込んで企画した。投票に行くと協賛店舗で割引サービスを受けられる仕組みで、県内では初の試み。若者の 投票率向上につながるか注目される。
取り組むのは同市内の主婦らを中心につくる「みつばちの会〜まちづくりを考える〜」。実行委員会の呼び掛け に応じ、常磐大(水戸市)の学生有志も運営に関わる。実行委員長の飯村有希さん(38)は「学生と話すと『選挙には行かない』と反射的に答える子もいる。 若い人は、選挙や政治は自分とは無関係と思いがち。センキョ割が投票に行くことの大切さに気付くきっかけになれば」と話す。
過去3回の同市議選 の投票率は2003年が60%、07年が56%、前回11年は50%と下がり続けている。12年ぶりの選挙戦となった14年の市長選での年齢別投票率は、 20〜24歳が21%と最低。25〜29歳も27%、30〜34歳も31%と低かった。全体でも43%にとどまり、5割を超えたのは60代と70代だけ だった。
実行委によると、センキョ割は12年に横浜市で始まり、若者の投票率向上への手段として注目を集め、全国に広がりつつある。
協賛店舗は実行委のメンバーが市内外の店舗を訪ねて募っており、19日時点で39店に上る。飲食店のほか美容室や英会話教室、クリーニング店など幅広く、「ドリンク無料」「商品10%引き」といったサービスが受けられる。最終的には50店舗を目指すという。
同市田中後のゲームセンター「ジャムジャム」ではメダル貸出機10%増と、駄菓子が5%引きで購入できる。運営するエービスの西野匠さん(31)は「地域貢献の一環。客層が幅広いので役に立てるのでは」と話す。
センキョ割の対象は20〜49歳の有権者。期日前も含む投票の後、携帯電話などのカメラを使って投票所の看板を入れて自身の顔を撮影し、その写真を店に見せるとサービスが受けられる。期間は投開票日から2週間。
実行委は、有権者に投票の参考となる材料を提供するため、立候補者にアンケートを行い、各候補者の回答をホームページで掲載する予定だ。
協賛店舗の情報や申し込みはhttp://go-vote.jimdo.com