宮城県の歴史や観光、特産品に理解を深める宮城マスター検定の1級試験が11月15日に行われる。検定は東日本大震災でいったん休止したが、再開を望む声 に後押しされ県が2014年度に復活させた。平均合格率は2.6%と司法書士試験に匹敵するが、超難関ゆえの達成感を味わうことができるという。25日の 申し込み締め切りを前に、1級合格者らに検定の魅力と合格のこつを聞いた。(報道部・相沢みづき)

◎合格者「ガイドに生かす」/挑戦者「各地を巡り勉強」

<時事問題も出題>
「合格して終わりではない。知事から認定される1級の称号を観光やおもてなしに生かさないと」
10年度に1級に合格したNPO理事吾妻信夫さん(73)=仙台市青葉区=は、藩制時代からの寺院が多い青葉区北山のガイドボランティア事務局長を務める。
予想問題の作成など、県主催の出前講座では講師も請け負う。ガイド仲間の無職加藤俊昭さん(79)=宮城野区=は、そんな吾妻さんに影響された。地域史の調査や研究に熱心な加藤さんは「宮城のことをもっと知りたい」と、14年に続き2度目の1級受検に臨む。
県は受検参考資料に「ウェルカムみやぎ観光ガイドブック’15」など県発行図書を紹介する。「参考書」を求め、県庁の県政情報センターを訪ねる受検者も多い。吾妻さんは「参考書を読めば全50門中30問は解けるが、時事問題の勉強も抜かりなく」と教えてくれた。

<半数が60代以上>
現在、1級合格者は20人を数える。合格者有志でつくる「いっきゅう会」は年数回、県内の史跡などを巡る研修会を実施。試験問題作成や試験監督も手伝う。
14年度合格の県職員斎藤仁さん(40)=泉区=は最年少の1級保持者。いっきゅう会への憧れが受検動機といい「先輩方の知識量に圧倒される。毎回勉強になる」と研修会を大いに満喫している。
仙台観光国際協会職員の渡辺由香里さん(31)は今回、14年度に果たせなかった1級合格を目指す。受検者の半数が仕事をリタイアした60代以上で、20、30代は少数派だ。
仕事柄、「仙台市内の観光情報に限らず県内全域の幅広い知識を要求される」と渡辺さん。実際に県内各所に足を運んで見聞きし、「楽しみながら」をモットーに勉強に励んでいる。

[宮 城マスター検定]2008年度、1~3級で始まった。14年度の復活時に2、3級を休止。ウェブ上のプレテスト(全30問)で8割以上の正解者に、1級受 検資格を与える形式に変えた。試験時間は1時間で選択35問、記述15問の計50問。40問以上正解で合格。14年度は11~84歳の219人が受検、4 人が合格した。

◎過去問に挑戦!

【問題】
Q1 仙台駅構内にあるステンドグラスに七夕飾りや伊達政宗と一緒にデザインされている建物はどれ?
(1)瑞鳳殿(2)五大堂(3)仙台城(青葉城)(4)瑞巌寺

Q2 2014年4月にリニューアルオープンした国道113号沿いにある「道の駅七ケ宿」に隣接する資料館の名称は?

Q3 13年にチリ・イースター島から寄贈されたモアイ像が隣に設置されている県内の商店街名は?

【解答】
A1 (2)
A2 水と歴史の館(正答率0.5%の最も難しかった問題)
A3 南三陸さんさん商店街

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