新型コロナウイルスの感染が子どもにも広がっていることを受け、文部科学省は27日、学校を臨時休校する際の判断の参考になるガイドラインを全国の教育委員会などに通知する。
学級内で2~3人の感染者が確認された場合は5~7日程度を目安に学級閉鎖、複数学級を閉鎖する事態なら学年閉鎖、複数学年の閉鎖が必要な場合は休校、などと示した。
学級閉鎖は同じ学級内で2~3人の感染者が出た場合や、感染者が1人でも濃厚接触者が2~3人いる場合などに実施できると例示。既に各地域で、基準がある場合はそれを使っても構わないとした。また、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置の対象地域については、濃厚接触者などを特定し消毒などがすむまでの間も学級閉鎖などをすることが考えられるとした。
感染者が出た場合の休校判断はこれまで、学校設置者である自治体などが、保健所による濃厚接触者の調査や検査結果を踏まえて、学級・学年閉鎖や休校する範囲を決めていた。文科省は学校規模や地域の事情があるとして、一律の基準を示すことは控えてきた。だが、感染の急拡大で保健所の調査が間に合わず、感染がどれほど広がっているか分からず自治体や学校が判断に迷うケースが出ていた。
また文科省は同日、各教委などに対し、感染不安などでやむを得ず登校できない児童生徒に、パソコンやタブレットなどの情報端末を自宅に持ち帰らせることを求める通知も出した。教員がオンラインで学習やコミュニケーションをとることを求めている。(伊藤和行)
■文科省が示す学級・学年閉鎖・休校の考え方
<学級閉鎖>
・同一学級で2~3人以上の感染が判明
・感染確認が1人でも周囲に未診断の風邪などの症状がある人が複数いる
・1人の感染が判明し、複数の濃厚接触者がいる
※以上のいずれかに該当する場合
・期間は5~7日程度が目安
<学年閉鎖>
・複数の学級を閉鎖するなど、学年内で感染が広がっている可能性が高い場合
<学校全体の休業>
・複数の学年を閉鎖するなど、校内で感染が広がっている可能性が高い場合