認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」が行った調査によると、2021年の移住相談者・セミナー参加者は4万9514件と過去最高の相談件数を更新し、うち20代が過去最高の21.9%と若者の相談者が増えていることが分かりました。
20代以下の若者に人気の移住希望先はどこなのか、同センターの窓口相談者アンケートの結果をもとにランキング形式で紹介します。
3位は、若者に人気の移住先、宮城県(7.3%)
20代以下でTOP3入り、30代では4位を獲得した宮城県。リモートワークで地方移住を希望する人の割合が30%を超える30~40代に比べ20代でテレワークでの移住を希望する割合は、14.2%ほどにとどまりました。
一方、20代以下の移住希望者の就労形態で30%近くを占めたのは「伝統工芸」、続いて「地域おこし協力隊」。宮城県の伝統品には、SNSで若者からも人気のこけし、東日本大震災からの復興支援としてグッチとコラボした絹織物「仙台平」や「玉虫塗」など多くの伝統工芸があります。
移住金支援制度や起業支援補助金などの支援も積極的に行っており、夢や憧れにチャレンジしたい若者の希望をくんだ移住希望地といえそうです。
2位は、移住へのきめ細かいサポートのある広島県(8.3%)
広島県は、各世代でトップ10入りしている安定的に人気の県です。2021年オンラインセミナー参加者が選んだ「移住したい県」では1位となりました。その背景には、オンラインセミナーの開催回数の多さときめ細やかなマッチングやサポート体制があるようです。
豊かな自然と併せ持つ都市機能という暮らしやすい環境に加え、移住への不安を取り除くサポート体制が移住を決める決定打になったのでしょう。
中には「広島東洋カープが大好き」で移住し、「カープファン」という共通点から移住後のコミュニティを広げた移住者も!
1位は、東へも西へも通勤可能、魅力満載の静岡県(10.4%)
移住窓口相談者の移住希望地ランキングで20歳以下から60代まで、そして毎年幅広い層から1位を獲得しTOP3の常連な静岡県が第1位を獲得。各自治体もSNSを活用し、若者へ向けた情報発信を行っています。
移住地に人気な理由として、富士山と海、茶畑、温暖な気候、おいしい魚介類に果物……と自然環境面でも魅力が満載なこと。名古屋と東京との間に位置し、新幹線で両方へのアクセスが良好ということが挙げられます。
東西へのアクセスが良好なので、観光や出張で訪れた際に気に入り、移住候補地に決めたという声も少なくありません。統計を見ても東京近郊から「自然豊かな環境」と「ビジネスにも良好な立地」を理由に移住するIターンが最も多い結果となっています。
(文:新橋 まい)