2018年ブレイク芸人ランキング

コントや漫才で培った舞台度胸でバラエティのみならず、CM、ドラマ、映画などさまざまなシーンで活躍するお笑い芸人。ORICON NEWSでは、この1年間を振り返る恒例の『2018年ブレイク芸人ランキング』を発表。見事1位に選ばれたのは、『24時間テレビ41 愛は地球を救う』(日本テレビ系)のチャリティーランナーで話題となった【みやぞん(ANZEN漫才)】。高い運動神経と音楽センスを持つ点も支持されて人気芸人の称号を手に入れた。

■驚異の身体能力と人間力を見せつけたみやぞんが“国民的芸人”に

 1位は8月25日、26日放送の『24時間テレビ』で、チャリティーランナーとして初のトライアスロンに挑み、見事成功した【みやぞん(ANZEN漫才)】。ブレイク感はすでにあるものの、ここでの奮闘ぶりが世代を超えた支持を集め、誰もが認める“国民的”人気芸人へとステージをあげたといえる。

 笑顔が印象的な天然キャラながら、野球、サッカー、格闘技などスポーツ万能で、マルチな才能で人気を呼んだ。『世界の果までイッテQ!』(日本テレビ系)では、船の上からカジキをモリで突くイタリアの伝統漁、ラスベガスでのハシゴパフォーマンスなど、何にでも挑む身体能力の高さを見事に発揮。さらには絶対音感の持ち主で、『しゃべくり007』(日本テレビ系)出演時には即興で「上田晋也のテーマ」を作詞作曲するなど、さまざまな特技を披露してきた。

 また、多彩な芸を持ちながら、親しみやすく朗らかな人柄の“愛されキャラ”が人気で「見ない日がないくらいなのに飽きないし嫌みがない」(東京都/40代・男性)、「みんなに好かれる感じがにじみ出ている」(愛知県/30代・男性)との声が多数。また、『24時間テレビ』の完走ぶりに「不可能と思われそうなこともやり遂げてしまう器用さと運の良さ、これからますます活躍することを期待している」(茨城県/40代・女性)とさらなる活躍を願う声も多かった。

■“異形”から“偉業”へ! 枠に留まらない多彩な才能開花した野爆くっきー

 2位となったのは【くっきー(野性爆弾)】。NSC大阪校13期生としてブラックマヨネーズ、次長課長らと同期で、遅咲きでようやくブレイクを実現した。白塗りメイクの顔モノマネで、トランプ大統領から松本人志、ローラなど、各界の著名人モノマネをインスタグラムに公開して話題をさらった。

 さらに活躍は多彩となり、1月期放送のドラマ『MASKMEN』(テレビ東京系)、4月期のドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)と2期連続でドラマへ出演。CM出演も多く認知度が大きく上がったCMにも起用され、コアなファンに刺さる独特の芸風を見事に一般ウケさせることに成功させた。

 何とも言えない“怪物感”がありながらも、クスッと来る笑いを届ける違和感こそが人気の秘訣で、30代からは1位になった。「元々シュールな芸風が大好きだったが、インスタなどのSNSで注目されてからより注目するようになった」(大阪府/30代・男性)、「アーティストとしても成功しているのでキャラが受け入れられた感がある」(神奈川県/30代・女性)などの声があった。

 雌伏の期間に、磨きをかけた絵の才能も開花。昨年、展覧会『超くっきーランド』を原宿で開催し、3日間で1万人以上を動員した。その後、日本各地にも進出したほか、2018年3月には台湾に上陸し、1ヵ月で10万人が足を運ぶなど、国を飛び越えてブレイク。さらに川谷絵音、小藪一豊らと組んだ5人組ロックバンド・ジェニーハイとして音楽活動も行なっており、「アーティストとしても認められていて、活躍の幅が大きい」(兵庫県/50代・女性)とその活躍にも注目されている。

■TT兄弟やモノマネで人気獲得、SNS拡散の戦略勝ちなチョコプラ

 3位にランクインしたのは、モノマネでブレイクしたチョコレートプラネット。コント師として人気の彼らだったが、松尾駿によるIKKO、長田庄平による和泉元彌のWモノマネでテレビで引っ張りだこの人気者となった。さらに有吉弘行も絶賛の「TT兄弟」もブレイクの要因に。「世の中にあるTを探そう」というネタの「TT兄弟」の中毒性のあるネタが爆笑を誘い、インスタグラム等での拡散力を利用したネタは強い人気に。

 本業であるコントは、9月に行なわれた『キングオブコント2018』で1stステージは1位だったものの、Finalで悔しくも3位に。しかし、1本目のネタは審査員も絶賛で、モノマネだけではない正統派の芸達者な点も人気の要因となっている。

 そんな彼らに「コンビ揃って芸達者でモノマネきっかけで売れているがなにやらせても上手い実力のあるコンビ」(北海道/40代・男性)、「よく見た気がするからモノマネだよく出ているけどコントもしゃべりも実力がありおもしろいから」(三重県/10代・女性)と実力派として支持。やはりモノマネのインパクトは大きく、「IKKOさんと和泉元彌は鉄板です」(東京都/50代・女性)と絶対笑える鉄板ネタとして熱視線を注がれている。

■拡散力でブレイク、コンビやトリオではなく“ピン”で注目集めた芸人たち

 そのほかランキングを振り返ると、6位には【福島善成(ガリットチュウ)】。船越英一郎、ダレノガレ明美、元貴乃花親方の花田光司氏など、多ジャンルの著名人の“ものまねメイク”で人気が大爆発。

 長年、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などの観客を事前に盛り上げる“前説”を行ない、苦節を乗り越えてきた。福島に転機が訪れたのは2年前、相方の熊谷岳大から「個々でがんばろう」という“解散宣言”があり、福島は「インスタグラムを本気でやってやろう」と決意。以降、1日も欠かさずモノマネ写真をアップし続けていると、船越のものまねがネットニュースで話題になり、ブレイクの足がかりを掴んだ。自身のインスタ投稿以外にも、ものまねメイクで企業の発表会やバラエティ番組などに出演。人気特番『DASHでイッテQ!行列のできるしゃべくり日テレ系人気番組NO.1決定戦』(日本テレビ系)などでもフィーチャーされた。

 くっきーとのコラボも行ない、「マニアックなものまねを長年貫き通し、見事に開花した1年だったと思う。良くも悪くも話題の人物を上手く拾ってモチーフにしてきたし、彼の芸風は嫌味や意地悪さがないので愛しやすい」(千葉県/30代・女性)と絶賛された。
 
 9位の【クロちゃん(安田大サーカス)】は賛否はあれど、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の「モンスターハウス」が大反響。同番組の企画に度々登場し、物議を醸しながらも、視聴者の記憶に刻まれた。自身のツイッターも話題で、ダイエットに関する嘘ツイートなども鮮烈なインパクトを残した。「クズっぷりが日本中に知れ渡ったので。炎上しまくっているが、良い意味でネット上のオモチャになっていると思う。誰も傷つかない炎上芸」(岐阜県/30代・男性)ともはや“国民のおもちゃ”として親しまれている。

 今回ランクイン芸人はネタとネットとの相性が良く、話題が拡散されており、これも今年ならではの傾向と言えそうだ。“40代でも若手”とも呼ばれる芸人界隈。その中で、ネットで炎上覚悟の一芸を披露して、長年のキャリアで身につけたバランス感覚で“ギリギリセーフ”を狙った彼らの芸は大きなインパクトを残した。

【調査概要】
調査時期:2018年11月22日(木)〜11月28日(水)
調査対象:計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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