22年仙台圏新築マンション 平均専有面積、2年連続70平方メートル割れ

広告代理店DGコミュニケーションズ仙台オフィスの調査によると、2022年に仙台圏で供給された新築マンションの平均専有面積は69・6平方メートルと、2年連続で70平方メートルを割り込んだ。1、2人世帯向けのコンパクトマンションの供給が増えていることに加え、建築費の高騰分を価格に反映させないよう家族向け物件も面積を減らす傾向にあることが背景にある。

家族向けでも縮小傾向

分譲中の「パークホームズ北仙台」のショールーム=仙台市青葉区一番町(三井不動産レジデンシャル提供)

 平均坪単価は3年連続で200万円の大台を超えた。面積が縮小する一方、価格が高止まりする不均衡状態が続いている。

 00年以降の平均専有面積と坪単価の推移はグラフの通り。各戸の広さは震災前まで70平方メートル台後半から80平方メートル台前半を行き来していたが、11年以降はおおむね75平方メートル前後に縮小。21年に00年以降で最小の67・5平方メートルを記録し、22年も2番目に低い69・6平方メートルとなった。

 近年は単身者や夫婦のみの世帯など多様な層に照準を合わせ、30平方メートル台から売り出されるコンパクトマンションの供給が加速。60~70平方メートルの家族向け物件も、従来の2LDKから3LDKに間取りを変えて多人数世帯への対応を強調するケースが出始めている。

 平均坪単価は住宅需要が増大した震災後に急上昇し、20年には資材価格と人件費の高騰も相まって過去最高の221万円を記録。21年は217万円、22年は218万円で、バブル期を超える水準となっている。

 GD社の担当者は「近年、買い手は利便性と資産性、価格を優先し、広さには多少目をつぶる空気感がある」とみる。「建築費と土地取得費の高騰で価格の急減は見込めず、『かつてに比べて広くないが、そこそこ高値』は当面続くだろう。中古物件、一戸建てを含めた多様な選択肢がある中、価値観に合わせた判断が必要になる」と指摘する。

タイトルとURLをコピーしました